MRI検査中に音が変わるのはなぜ?」音の違いを放射線技師が解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
MRI検査を受けたことがある方は、検査中に聞こえる音が途中で変わることに気付いたことはありませんか?
「さっきまでガンガン鳴っていたのに、今度はトントントンという音になった」
「急に音が大きくなったけど、何か問題が起きたの?」
「音が止まったと思ったら、また違う音が始まった…」
初めてMRI検査を受ける方にとっては、突然音が変わると少し不安になりますよね。
結論からお伝えすると…MRI検査中に音が変わるのは正常です。撮影する画像の種類や撮影条件が変わることで、聞こえる音も変化します。
今回は、MRI検査ではなぜ大きな音がするのか、そして検査途中で音が変わる理由について、放射線技師が患者さん向けにわかりやすく解説します。


MRI検査ではなぜ大きな音がするの?
MRI検査というと、「大きな磁石を使って撮影する検査」というイメージを持っている方も多いと思います。
では、あの「ガンガン」「ドンドン」という大きな音も磁石そのものから出ているのでしょうか?
実は、MRIの大きな音には傾斜磁場(けいしゃじば)コイル(グラディエントコイル)という装置が大きく関係しています。
MRIでは体のどの場所から信号が出ているのかを区別するために、傾斜磁場を高速で切り替えながら撮影しています。
このとき傾斜磁場コイルに流れる電流とMRI装置の強い磁場が相互作用すると力が加わり、コイルなどが細かく振動します。
この振動がMRI検査中に聞こえる「ガンガン」「トントン」といった大きな音の主な原因です。つまり、何かが装置の中でぶつかっている音ではありませんので安心してください。

どうして検査の途中で音が変わるの?
MRI検査では、一度の撮影だけですべての情報を得ているわけではありません。
例えば同じ頭部MRIでも、目的に応じて複数の異なる撮影方法を組み合わせています。
それぞれの撮影では、傾斜磁場を動かす強さや速さ、タイミングなどが異なります。
その結果、
- ガンガンガン
- トントントン
- ブーブーブー
- ダダダダダ
- ゴゴゴゴゴ
など、さまざまな音に聞こえるのです。
実際にMRIの騒音は、使用する撮影方法(パルスシーケンス)や撮影条件によって音圧や周波数が変化することが報告されています。
音が変わる=違う種類の画像を撮っていることも
MRIの大きな特徴は、撮影方法を変えることで同じ場所から性質の異なる画像を得られることです。
例えば頭部MRIでは、目的に応じて、さまざまな画像を撮影します。
- 水分の違いを見やすくした画像
- 脳梗塞の診断に役立つ画像
- 出血などの評価に役立つ画像
- 血管を観察する画像
撮影方法が変わると傾斜磁場の動かし方も変化するため、患者さんには「音が変わった」と聞こえることがあります。
音が変わったのは、検査が失敗しているからではなく、次の種類の撮影へ進んでいるためであることが多いのです。
急に大きな音になっても大丈夫?
撮影方法によっては、それまでより急に大きな音や細かく連続する音が聞こえることがあります。
これも通常のMRI検査で起こることです。MRIの音は撮影条件によって大きく異なり、研究でもパルスシーケンスによって騒音レベルが変化することが確認されています。
そのためMRI検査では、施設や検査内容に応じて、
- 耳栓
- ヘッドホン
- イヤーマフ
などを使用して耳を保護します。「大きな音が苦手」という方は、検査が始まる前に放射線技師へ伝えてくださいね。
途中で音が止まるのはなぜ?
MRI検査では、数分間音が続いたあと、突然静かになることがあります。
これも異常ではありません。
一つの撮影が終了し、放射線技師が撮影した画像を確認したり、次の撮影を設定したりしている時間があります。
そのため、「音が止まった=検査が終わった」とは限りません。
音が止まっても、放射線技師から「検査終了です」と案内があるまでは、できるだけ同じ姿勢でお待ちください。
ここで大きく体を動かしてしまうと、次の撮影で位置合わせがずれてしまう可能性があります。
音だけで「今何を撮っているか」分かる?
患者さんにとっては全部同じような機械音に聞こえるかもしれませんが、毎日MRI検査を担当している放射線技師は、音を聞いて「今この撮影をしているな」と分かることがあります。
ただし、MRI装置のメーカーや機種、撮影条件によって音は異なるため、すべての装置で同じ音がするわけではありません。
同じ「頭のMRI」でも、病院や検査内容が変われば以前とは違う音に感じることもあります。

MRI検査では本当にいろいろな音が聞こえます。初めて検査を受ける方は、途中で突然音が変わると「何か起きたのかな?」と不安になるかもしれません。
でも、音が変わるのは撮影方法や撮影条件が変わったためであることがほとんどです。音が止まっている時間も含めて検査は続いていますので、終了の案内があるまではできるだけ動かずにお待ちくださいね。
検査中に音が怖くなったらどうする?
MRI検査では、大きな音が続くことで不安になってしまう方もいます。
もし検査中に、
- 音が怖くて耐えられない
- 気分が悪くなった
- 強い不安を感じる
- 検査を一度止めてほしい
という場合は、無理に我慢する必要はありません。検査前に渡された緊急ブザーなどを使用して放射線技師へ知らせてください。
検査中も患者さんの様子を確認していますので、不安なことがあれば遠慮なく伝えてくださいね。
まとめ
- MRIの大きな音は主に傾斜磁場コイルの振動によって発生する
- 撮影方法や撮影条件によって音の大きさやリズムが変わる
- 検査途中で音が変わるのは異常ではない
- 音が止まっても検査終了とは限らない
- 終了の案内があるまではできるだけ同じ姿勢を保つ
- 音が怖い場合は我慢せず放射線技師へ知らせる
MRI検査の「ガンガン」「トントン」という不思議な音にも、きちんと理由があります。
「音が変わったけれど大丈夫かな?」と心配せず、検査の一部だと思ってリラックスして受けてくださいね。
参考文献
- McJury M. Acoustic Noise and Magnetic Resonance Imaging: A Narrative/Descriptive Review. J Magn Reson Imaging. 2021.
- Counter SA, et al. MRI acoustic noise: sound pressure and frequency analysis. J Magn Reson Imaging. 1997;7:606-611.
- Hurwitz R, et al. Acoustic analysis of gradient-coil noise in MR imaging. Radiology. 1989;173:545-548.
- Alibek S, et al. Sequence-based acoustic noise reduction of clinical MRI scans. Magn Reson Med. 2014.
執筆:放射線技師 Poteto
- 更新日:2026/8/20
- 執筆:診療放射線技師【Poteto/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師】
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