造影CT検査後に授乳しても大丈夫?赤ちゃんへの影響を現役放射線技師が解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
出産後にCT検査を受けることになったお母さんから、
「造影剤を使ったけど授乳して大丈夫?」
「母乳に造影剤が出るって聞いたけど赤ちゃんに影響はない?」
「何時間くらい授乳をやめたほうがいいの?」
このような質問をいただくことがあります。赤ちゃんのことを考えると、とても心配になりますよね。
結論からお伝えすると、現在のガイドラインでは、造影CT検査後も授乳を中止する必要はないとされています。
今回は、その理由を医学的な根拠とともにわかりやすく解説します。


造影CT後でも授乳は続けて大丈夫です
CT検査で使用するヨード造影剤は、血管から体内へ注射されます。
「造影剤が母乳に混ざって赤ちゃんへ影響するのでは?」と心配される方も多いですが、実際には母乳へ移行する量はごくわずかです。
さらに、そのごく少量が母乳に含まれたとしても、赤ちゃんの腸から吸収される量はさらに少ないことが分かっています。
そのため、授乳を中止する必要はないというのが、日本や海外の放射線医学会の共通した考え方です。
母乳にはどのくらい造影剤が移行するの?
実は、注射した造影剤のうち母乳へ移行する量は、投与量の約0.5%未満と報告されています。
さらに、その母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、消化管から吸収される量は約1%未満とされています。
つまり、赤ちゃんの体内へ取り込まれる造影剤は、最初にお母さんへ投与した量の0.01%にも満たない程度です。
このため、赤ちゃんへの影響は極めて少ないと考えられています。
「24時間授乳をやめてください」と言われたことがあるのはなぜ?
以前は、「造影剤を使用した後は24時間授乳を控えましょう」と説明されることもありました。
しかし、その後多くの研究が行われ、母乳への移行量が非常に少ないこと・赤ちゃんへの影響がほぼないことが確認されました。
そのため現在では、日本医学放射線学会や海外のガイドラインでも、授乳を中断する必要はないとされています。
ただし、病院によっては以前からの説明方法を継続している場合もありますので、施設ごとの案内に従ってください。
MRIの造影剤でも授乳できる?
MRIで使用するガドリニウム造影剤についても、基本的な考え方は同じです。
母乳への移行量は非常に少なく、赤ちゃんへの影響も極めて少ないことが報告されています。
そのため、MRI造影検査後も授乳を続けて問題ないとされています。
心配な場合は授乳を一時的に控えても大丈夫
医学的には授乳を続けても問題ないとされていますが、「それでも少し心配…」というお母さんもいらっしゃると思います。
その場合は、
- 検査前に搾乳しておく
- 一時的に保存していた母乳を使用する
- 数時間だけ授乳を控える
という方法を選択しても構いません。これは医学的に必要だからではなく、お母さん自身が安心して育児を続けるための方法です。

放射線技師として感じること
小さなお子さんを育てているお母さんは、自分のことよりも赤ちゃんを優先して考える方が本当に多いです。
検査前にも、
- 授乳していいですか?
- 赤ちゃんに影響しませんか?
- 母乳は捨てたほうがいいですか?
と不安そうに質問される場面をよく経験します。そのたびに、安全性について説明すると安心された表情になる方が多くいらっしゃいます。

赤ちゃんのことを思うと、「本当に授乳していいのかな?」と心配になるのは当然です。
現在の医学的な考え方では、造影CT後も授乳を中止する必要はないとされています。
それでも不安な場合は、検査前に放射線技師や医師へ相談してください。安心して検査を受けていただけるよう、一緒に確認させていただきます。
よくある質問
Q. 造影CTを受けた直後に授乳しても大丈夫ですか?
はい。現在のガイドラインでは授乳を中止する必要はないとされています。
Q. 母乳を搾って捨てたほうがいいですか?
医学的には必要ありません。ただし、不安が強い場合はご自身が安心できる方法を選択しても構いません。
Q. MRIの造影剤でも同じですか?
はい。MRI造影剤についても授乳を中止する必要はないとされています。
まとめ
- 造影CT後でも授乳を中止する必要はない
- 母乳へ移行する造影剤はごくわずか
- 赤ちゃんが吸収する量はさらに少ない
- MRI造影検査後も基本的には授乳できる
- 不安があれば検査前に医療スタッフへ相談しましょう
赤ちゃんを思う気持ちはとても大切です。だからこそ、一人で悩まず、分からないことは医師や放射線技師へ相談してください。安心して検査を受けられるよう、私たちもサポートいたします。
参考文献
- 日本医学放射線学会・日本放射線科専門医会「ヨード造影剤使用に関するガイドライン」
- American College of Radiology. ACR Manual on Contrast Media.
- European Society of Urogenital Radiology. ESUR Guidelines on Contrast Media.
- 日本磁気共鳴医学会「MRI造影剤使用に関する安全性情報」
- 更新日:2026/7/26
- 執筆:診療放射線技師【Poteto/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師】
- 参考:本ページは医療現場の一般的な運用に基づきます。個別の判断は担当医とご相談ください。
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