CT検査は何枚くらい撮影しているの?画像枚数が数百〜数千枚になる理由を放射線技師が解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
CT検査を受けたとき、
「CTって何枚くらい写真を撮っているの?」
「レントゲンは1〜2枚なのに、CTは何が違うの?」
「たくさん撮影すると、その分だけ被ばくも増えるの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
CT検査では体の中を細かく観察するため、非常に多くの画像を扱います。
結論からお伝えすると、CT検査で作られる画像は数百枚になることも珍しくなく、検査内容や画像処理によっては数千枚の画像が作成されることもあります。
ただし、「画像が1000枚ある=1000回X線を当てた」という意味ではありません。
今回は、CTではどのように画像を作っているのか、なぜこれほど多くの画像が必要なのかを、放射線技師が患者さん向けにわかりやすく解説します。
そもそもCTはどのように撮影しているの?
一般的なレントゲン検査では、X線を体に当てて、体の中を一方向から見た画像を作ります。
一方、CTではX線を発生する装置が体の周囲を高速で回転しながら、さまざまな方向からX線の情報を集めます。
現在広く使われているCTでは、寝台も動きながら短時間で広い範囲を撮影できます。
集められた大量のデータをコンピューターで計算し、体を輪切りにしたような画像を作成しているのです。
CTは「写真を1枚ずつ何百回も撮影する」というより、大量のデータを一度に集め、そこから多数の画像を作る検査と考えると分かりやすいでしょう。

CT検査では何枚くらい画像を作るの?
実際に何枚の画像が作られるかは、撮影する部位や目的、病院の撮影方法によって大きく異なります。
例えば、撮影範囲を500mm、画像の厚さを5mmとして単純に考えると、約100枚の断面画像になります。
しかし現在のCTでは、より細かく観察できるように1mm前後などの薄い画像を作ることもあります。同じ500mmの範囲でも1mm間隔なら、単純計算で約500枚です。
さらに検査内容によっては、異なる厚さの画像や別方向から見た画像なども作成するため、最終的な画像数はさらに増えていきます。
なぜそんなに細かい画像が必要なの?
画像を薄く作る大きな理由は、小さな病変や細かな構造を観察しやすくするためです。
例えば、小さな肺結節・細い血管・小さな骨折・臓器の細かな変化
などを評価するときには、薄い画像が役立つことがあります。
厚い画像だけでは、小さな病変が周囲の組織と一緒になって分かりにくくなることがあります。
そこでCTでは、検査目的に合わせて適切な厚さの画像を作成しています。
輪切りの画像だけではありません
CTで撮影したデータからは、一般的な輪切り画像だけでなく、さまざまな方向の画像を作ることができます。
- 正面から見た画像
- 横から見た画像
- 斜め方向から見た画像
- 血管を立体的に表示した3D画像
- 骨を立体的に表示した3D画像
これを画像再構成・画像処理と呼びます。
造影CTや血管のCTでは、撮影したデータから多くの追加画像を作成するため、医師が確認する画像が数百〜数千枚になることもあります。

画像が1000枚なら1000回分被ばくしているの?
ここは患者さんにぜひ知っておいていただきたいポイントです。
「画像が1000枚ある=1000回撮影した=1000回分被ばくした」ということではありません。
CTでは撮影によって得られたデータから、コンピューター処理によってさまざまな厚さや方向の画像を作ることができます。
一度取得したデータから追加の画像を作るだけであれば、その画像を増やしたことによって新たなX線被ばくが発生するわけではありません。
ただし、造影CTなどで撮影するタイミングを変えて複数回スキャンする検査では、それぞれのスキャンでX線を使用します。
つまり、被ばくを考えるときには完成した画像の枚数ではなく、実際にどのような条件で何回スキャンしたのかが重要なのです。
放射線技師は大量の画像をどうしているの?
CT検査が終わったあと、放射線技師の仕事もそこで終了ではありません。
撮影した画像を確認し、以下のことを確認しています。
- 撮影範囲が適切か
- 体の動きによるブレがないか
- 造影剤が適切なタイミングで入っているか
- 診断に必要な画像がそろっているか
さらに必要に応じて、薄い画像から正面・側面の画像や3D画像などを作成します。
検査そのものは数分で終わっても、その後に画像処理を行っていることがあるのです。
特に、細かい血管の3D画像処理などは完成までに2~3日かかる場合もあります。

CT検査では本当にたくさんの画像を扱っています。検査によっては、撮影自体は数分で終わっても、その後に放射線技師が画像を確認したり、診断に必要な画像を作ったりする作業が続きます。
「検査が終わったのに、すぐ結果が出ないの?」と思われることもありますが、皆さんが検査室を出たあとにも画像を整える作業をしていることがあるんですよ。
たくさんの画像を医師が全部見るの?
CT画像は、放射線科医や診療を担当する医師が専用の画像表示システムを使って確認します。
画像をパラパラと連続して表示することで、体の中を少しずつ移動しながら観察するように確認できます。
また、病気によって見やすい画像の条件が異なるため、同じCTデータでも肺、骨、臓器などに適した表示へ切り替えながら確認します。
このように多数の画像から必要な情報を読み取り、診断や治療につなげています。
まとめ
- CTでは数百枚の画像が作られることも珍しくない
- 検査内容によっては数千枚の画像を扱うこともある
- 薄い画像を作ることで細かな構造を観察しやすくなる
- 一度撮影したデータから正面・側面・3D画像なども作成できる
- 「画像枚数=X線を照射した回数」ではない
- 画像を追加で再構成するだけなら新たな被ばくは発生しない
CTは短時間で終わる検査ですが、その短い時間の中で非常に多くの情報を集めています。
「数分しか撮影していないのに、こんなにたくさんの画像ができるんだ」と知っていただくと、CTという検査を少し身近に感じてもらえるかもしれません。
参考文献
- Flohr TG, et al. Multi-detector row CT systems and image-reconstruction principles. Radiology.
- Bushberg JT, et al. The Essential Physics of Medical Imaging. Wolters Kluwer.
- Kalender WA. Computed Tomography: Fundamentals, System Technology, Image Quality, Applications.
- 日本医学放射線学会「画像診断ガイドライン」
- 更新日:2026/9/1
- 執筆:診療放射線技師【Poteto/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師】
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