妊娠に気づかず放射線検査を受けたらどうなる?知っておいてほしい正しい考え方
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
放射線検査を受けたあとに、こんな不安を感じたことはありませんか?
「もしかして妊娠していたかもしれない…」
「赤ちゃんに影響は出てしまうの?」
妊娠に気づかず放射線検査を受けてしまい、不安になる方は決して少なくありません。 今回は、この状況で実際にどう考えればいいのかを、 できるだけわかりやすく説明します。

まず知っておいてほしい大切なこと
妊娠に気づかず放射線検査を受けてしまったからといって、 すぐに赤ちゃんへ影響が出るわけではありません。
多くの医療用放射線検査は、 胎児に影響が出るとされる線量よりもはるかに低い線量で行われています。
影響が心配になるのはどのくらいの被ばく?
国際的な放射線防護の考え方では、
胎児への影響が明確に問題となるのは、おおよそ100mGy以上
とされています。
一方で、一般的な検査の被ばく線量は以下の通りです。
- 胸部レントゲン:0.01mGy未満
- 歯科レントゲン:0.01mGy未満
- 頭部CT:胎児への直接被ばくはほぼなし
- 腹部CT:約10~25mGy
多くの場合、1回の検査で影響が出る線量には達しません。
妊娠初期は特に心配?
妊娠初期(妊娠0~4週頃)は、 「すべてか無かの法則」が当てはまる時期とされています。
これは、
- 影響がなければ、そのまま正常に発育する
- 重い影響があれば、妊娠が継続しない
という考え方です。
この時期に低線量の放射線を1回受けたことで、 奇形のリスクが高まることはないとされています。
どんな検査を受けたかが重要です
妊娠に気づかず検査を受けた場合、
- どの検査か(レントゲン・CTなど)
- どの部位を撮影したか
- 検査回数
が重要になります。
胸部や頭部の検査では、 胎児が直接放射線を受けることはほとんどありません。
一方、腹部・骨盤部のCTでは、 状況に応じた評価が必要になります。
妊娠がわかったら、まずすること
検査後に妊娠がわかった場合でも、すべての方が特別な対応を必要とするわけではありません。
多くの放射線検査では、胎児への影響が問題になる線量には達していないため
追加の検査や対応が不要なケースがほとんどです。
ただし、腹部や骨盤部のCT検査などを受けていて不安が強い場合には
検査を受けた病院や担当医に,いつ・どの検査を受けたかを相談してください。
状況に応じて、必要な場合のみ被ばく線量の確認や産婦人科との連携が検討されます。
今後の検査はどうなるの?
妊娠がわかったあとの検査では、
- 放射線を使わない検査(超音波・MRI)を優先
- どうしても必要な場合のみ放射線検査を実施
といった判断が行われます。
医療被ばくは、 必要性と安全性を十分に考えたうえで行われます。
まとめ:過度に心配しすぎないでください
- 多くの放射線検査は影響が出る線量より低い
- 1回の検査で大きな影響が出る可能性は低い
- 検査内容を正確に伝えることが大切
- 不安なときは医師や放射線技師に相談してよい
妊娠に気づかず検査を受けてしまった場合でも、 慌てず、正しい情報をもとに行動することが何より大切です。
放射線技師として、 そして一人の経験者として、 不安な気持ちに寄り添える存在でありたいと思っています。
参考文献
- ICRP Publication 84「Pregnancy and Medical Radiation」
- RadiologyInfo.org「Radiation Exposure and Pregnancy」
- 厚生労働省「医療被ばくQ&A」
- 更新日:2026/1/16
- 執筆:診療放射線技師【Poteto/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師】
- 参考:本ページは医療現場の一般的な運用に基づきます。個別の判断は担当医とご相談ください。
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