CTやMRIの検査当日、仕事や学校は行っても大丈夫?放射線や磁気の影響を放射線技師が解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
CTやMRI、レントゲンなどの放射線検査がある日、こんな疑問を持つ方はとても多いです。
「検査のあと、そのまま仕事や学校に行っても大丈夫?」
「放射線や磁気の影響が体に残ったりしない?」
先に結論からお伝えします。
レントゲン・CT・MRI検査のあとに、周囲の人や日常生活へ影響が出ることはありません。
医学的には、検査後に出勤・登校しても問題ありません。 その理由を、わかりやすく説明していきます。
放射線検査のあと、体から放射線が出ることはありません
まず、レントゲンやCT検査で使われる放射線(X線)についてです。
X線は、
- 検査中に体に当たるだけ
- 検査が終われば、その場で消える
という性質を持っています。
つまり、検査後に体から放射線が出続けることはありません。
そのため、
- 周囲の人に影響が出る
- 近くにいると危険
といった心配は一切不要です。
MRI検査のあと、磁気の影響は残らないの?
MRI検査では、強い磁石(磁場)を使います。 そのため、「検査後も磁気の影響が残るのでは?」と不安になる方もいらっしゃいます。
ですが、MRIの磁場は検査装置の中だけで発生しています。
検査が終わってMRI室を出た時点で、体に磁気が残ることはありません。
そのため、
- 電子機器が壊れる
- 人に影響が出る
といったことも起こりません。
造影検査でも、周囲への影響はありません
造影CTや造影MRIでは、造影剤を使うことがあります。
この造影剤は、
- 時間とともに体の外へ排出される
- 周囲の人に影響を与える成分ではない
ため、検査後に仕事や学校へ行っても問題ありません。
※核医学検査(シンチ・PET)は別の検査であり、 今回の記事では対象外としています。

医学的には「行っても大丈夫」でも、現実的に難しいことも
ここまでお伝えした通り、
放射線や磁気の影響という意味では、検査後に出勤・登校しても問題ありません。

ただし、放射線技師として現場を見ていると、 現実的には少し難しいケースも多いと感じています。
検査前後に必要な準備
- 問診票の記載
- 同意書の説明・署名
- 検査の事前説明
- 場合によっては血液検査や尿検査
これらはすべて、安全に検査を行うために行います。
待ち時間が長くなることもある
また、
- 検査の混み具合
- 救急患者さんの受け入れ
によっては、検査開始までかなり待つこともあります。
「検査自体はすぐ終わると思っていたのに、 気づいたら何時間も経っていた」というケースも珍しくありません。
放射線技師としての正直な考え
放射線検査後に仕事や学校へ行くことは、 医学的にはまったく問題ありません。
ただ、
- 帰宅時間が読めない
- 遅刻の心配がある
- 検査前後で緊張する
という点を考えると、
可能であれば、時間に余裕をもってお休みを取ったほうが、 リラックスして検査に臨めるのではないかな、と私は感じています。
これはあくまで一つの考え方なので、 ご自身の体調や生活スタイルに合わせて判断してくださいね。
まとめ
- レントゲン・CT・MRI検査後に放射線や磁気の影響は残らない
- 周囲の人に影響が出ることもない
- 医学的には仕事・学校に行っても問題ない
- ただし準備や待ち時間が長くなることはある
- 可能なら時間に余裕をもつのがおすすめ
不安なことがあれば、検査前でも検査後でも、 遠慮なく放射線技師や医師に相談してください。
参考文献
- ICRP Publication 105「Radiological Protection in Medicine」
- RadiologyInfo.org「CT Safety」「MRI Safety」
- 日本医学放射線学会「患者さんのための放射線診療」
- 最終更新日 2025/12/23
- 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
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