放射線検査

核医学検査(シンチグラフィ)ってどんな検査?放射線技師がわかりやすく解説

核医学検査ってどんな検査?
Poteto

こんにちは。放射線技師のPotetoです。
病院で「骨シンチ」「心筋シンチ」「脳血流シンチ」など、“シンチ”という言葉を聞いたことはありませんか? レントゲンやCTとも、MRIとも違う少し特殊な検査で、初めての方は「放射線を体に入れるって大丈夫?」と不安に感じることもあるかと思います。

この記事では、核医学検査(シンチグラフィ)とはどんな検査なのか、 放射線技師の立場から、できるだけやさしく解説します。

核医学検査(シンチグラフィ)とは?

核医学検査は正式には「シンチグラフィ」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすく「シンチ」と略して説明しますね。

核医学検査とは、体の中にごく少量の放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を投与して、その分布をカメラで撮影する検査です。 放射性医薬品は体内で目的の臓器や組織に集まり、その場所から微量の放射線(γ線)が出ます。

その放射線をガンマカメラという特殊な装置で捉えて、体の中の働きを画像にします。

レントゲンやCTは「かたち(構造)」を見る検査ですが、シンチは

臓器や組織の“働き(機能)”を見る検査

という大きな特徴があります。

どんな病気の診断に使うの?

核医学検査には非常に多くの種類があり、目的によって使う放射性医薬品も異なります。

代表的なシンチグラフィ

  • 骨シンチ(骨代謝の評価)
    骨折の有無、骨転移、炎症の有無などを調べる
  • 心筋シンチ(心臓の血流を見る検査)
    心筋虚血、心筋梗塞の評価に用いる
  • 脳血流シンチ
    脳梗塞後の血流、認知症の鑑別などに使用
  • 腎シンチ
    左右の腎臓の働きを調べる
  • 肺血流・換気シンチ
    肺塞栓症の診断
  • 甲状腺シンチ
    甲状腺機能、腫瘍、炎症の評価

このように臓器の“機能”を可視化できる点が最大の強みです。

検査の流れは?痛みはある?

放射性医薬品の投与

まず、検査目的に応じた放射性医薬品を投与します。 投与方法は以下のいずれかです。

  • 静脈注射(ほとんどがこれ)
  • 飲むタイプ(甲状腺シンチなど)
  • 吸入タイプ(肺換気シンチ)

静脈注射は採血程度で、大きな痛みはありません。

投与してから待機

放射性医薬品が臓器に集まるまで少し時間が必要です。 例:骨シンチ → 2〜3時間待機 この間は基本的に自由に過ごせます。

ガンマカメラで撮影

専用の検査台に寝ていただき、ゆっくりと撮影します。 撮影時間は10〜30分程度で、痛みはありません。

帰宅→日常生活は制限なし

検査後は普通に生活できます。 トイレを我慢しないこと、水分を多めに取ることが推奨される場合があります。

放射性医薬品を体に入れて大丈夫?

「放射性」という言葉だけで不安になる気持ち、よくわかります。 ただし、核医学検査で体に入れる放射性医薬品は非常に微量で、 体内での挙動が明確にコントロールされています。

安全性のポイント

  • 体外に自然に排出される(尿・汗・便など)
  • 半減期が決まっているため体内に長くとどまらない
  • 臓器ごとに集まる場所が明確
  • 使用量は国際ガイドラインで管理されている

妊婦さんや授乳中の方は検査前に必ず申告が必要ですが、 医師や技師が状況に応じて適切に判断します。

シンチの特徴:他の検査との違い

検査何がわかる?特徴
レントゲン/CTかたち(構造)骨・臓器の形を詳しく見る
MRI組織の性質脳・筋肉・血流などの描出が得意
シンチ(核医学)臓器の働き(機能)血流・代謝・炎症などがわかる

この“機能を見ることができる”という特性が、 核医学検査の最大の魅力です。

放射線技師として感じる核医学検査の魅力【経験談】

核医学の魅力は、「他の検査では分からない体の働きを見ることができる」ところです。 たとえば、骨シンチではレントゲンで見えない早期の骨代謝の異常がわかります。

また、核医学検査は患者さんの負担が少ないのも特徴です。 撮影時に痛みはなく、検査後も日常生活が制限されることはほぼありません。

技師としては、放射性医薬品の正確な取り扱い、 ガンマカメラの設定、患者さんの安全管理など、 細かな知識と丁寧さが求められる奥の深い分野です。

検出器はとても近くまで動くので驚かれる方もいますが、最新のガンマカメラには安全センサーが搭載されていて、患者さんに接触しないよう常に制御されています。技師も位置を細かく確認しながら操作していますのでご安心くださいね。

まとめ

核医学検査(シンチ)は、放射性医薬品を利用して臓器の働き(機能)を調べる検査です。 骨・心臓・脳・腎臓など、さまざまな検査があり、 レントゲンやCTとは違う情報を得られる重要な検査です。

患者さんの負担も少なく、安全性も国際的に確認されています。 不安がある場合は、遠慮せず技師や医師に相談してくださいね。

参考文献

  • 日本核医学会「核医学検査とは」
  • Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging (SNMMI)
  • ICRP Publication 128 “Radiation Exposure of Patients in Nuclear Medicine”
  • 日本放射線技術学会「核医学検査における被ばく管理」
  • 最終更新日 2025/11/26
  • 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
  • 免責 本サイトの情報は個別診療に代わるものではありません。 

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放射線技師
総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。
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