妊娠中にエコー検査を何度もするけど影響はないの?放射線技師がわかりやすく解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
妊娠中に産婦人科で繰り返し行われる「エコー(超音波)検査」。
お腹の赤ちゃんの様子を見られる大切な検査ですが、
「何度も受けて大丈夫なの?」「赤ちゃんへの影響はないの?」と不安に思う方は少なくありません。
今回は、エコー検査のしくみと安全性について、わかりやすくお伝えします。
エコー検査は“超音波”を使う検査。放射線は使っていません
まず最初にお伝えしたいのは、エコー検査では放射線を一切使っていないということです。
使用しているのは、私たちの耳には聞こえない「超音波(high-frequency sound waves)」です。 この音の反射を利用して、お腹の中の赤ちゃんや子宮、胎盤の様子を画像にしています。
つまり、エコーはX線・CT・MRIとはまったく異なる仕組みで、 電離放射線のように細胞にダメージを与えるものではありません。


国際的にも「胎児への有害性は認められていない」
妊娠中のエコー検査は、世界中で広く使われています。 安全性については、以下の信頼できる機関がいずれも同じ結論を出しています。
- 世界保健機関(WHO)
- 米国産婦人科学会(ACOG)
- 国際超音波医学会(ISUOG)
- 日本産科婦人科学会
これらの機関は共通して、
診療目的で行われる超音波検査に有害性は確認されていない
と明言しています。
妊娠中の定期的な超音波検査は、母体と赤ちゃんの健康を守るために必要な検査であり、 不必要に不安になる必要はありません。
妊娠中にエコーを複数回行う理由
妊婦健診では、妊娠初期・中期・後期と複数回エコーが行われます。 これは、それぞれの時期で確認する項目が異なるためです。
- 妊娠初期:胎嚢の位置、胎児の心拍、妊娠週数の確認
- 妊娠中期:胎児の全身発育、臓器の形成、性別、胎盤位置
- 妊娠後期:推定体重、羊水量、胎児の向き(頭位・骨盤位)、臍帯の状態
このように、赤ちゃんの成長を安全に見守るために、複数回のエコーが必要なのです。

妊婦さんが心配されるポイントQ&A
Q1. エコー検査の“熱”が胎児に影響することは?
超音波はわずかに熱を発生しますが、通常の妊婦健診で使用される範囲では安全とされています。 国際ガイドラインでは、医療者が機械の出力や照射時間を適切に管理して検査を行います。
Q2. 4Dエコー・胎児スクリーニングは大丈夫?
医療目的で行われる検査であれば問題ありません。 ただし、医学的目的のない“過剰なエコー撮影”は推奨されていません(ISUOG)。
Q3. 回数が増えることで赤ちゃんがストレスを受ける?
科学的にそのようなデータは確認されておらず、 妊婦健診の範囲であれば心配する必要はありません。
エコー検査は妊婦さんにとってメリットが多い検査
エコーは安全性が高いだけでなく、妊婦さんにとって大きなメリットがあります。
- 赤ちゃんの状態をリアルタイムで確認できる
- 母体に痛みや負担がない
- 放射線は使用しないため繰り返しても安全
- 万が一の異常に早く気付ける
とくに妊娠後期では、胎児発育遅延や逆子など、 出産方法に関わる重要な情報を得ることができます。
放射線技師として感じるエコー検査の魅力
私は普段、放射線科の超音波検査に携わることがありますが、エコーは技師の技量が大きく反映される検査です。 必要な部分を見る角度、圧迫の強さ、プローブの動かし方……ひとつひとつに技術が必要です。
妊婦健診では産科医師が行うことが多いですが、 「安全に、正確に、そして安心して検査を受けてもらう」 その姿勢は私たち放射線技師も常に意識しています。
まとめ
妊娠中に受けるエコー検査は、赤ちゃんの成長や健康状態を確認するために欠かせない検査です。 放射線は使用せず、医療目的で行われる範囲では有害性は認められていません。
むしろ、適切に行われるエコー検査は、赤ちゃんの命を守るための大切な情報源になります。 不安なことがあれば、遠慮せず医師やスタッフに相談してくださいね。
参考文献
- WHO (World Health Organization) : Ultrasound in pregnancy
- ACOG Committee Opinion No. 818 : Ultrasonography in Pregnancy
- ISUOG Practice Guidelines (2019): Performance of fetal ultrasound
- 日本産科婦人科学会「超音波検査の安全性について」
- 最終更新日 2025/11/18
- 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
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