放射線技師の1日のスケジュール【経験談】実際の働き方を紹介します
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
「放射線技師ってどんな1日を過ごしているの?」「夜勤や当直はあるの?」と気になる方も多いと思います。
今回は、私が実際に経験してきた放射線技師の1日のスケジュールを、勤務形態別にご紹介します。 職場によって多少の違いはありますが、病院勤務の技師としての“リアルな1日”をイメージしてもらえると思います。
放射線技師の勤務形態は大きく4パターン
病院で働く放射線技師の勤務には、主に次の4つのパターンがあります。
- ① 通常勤務
- ② 早出勤務
- ③ 泊まり(夜勤)勤務
- ④ 呼び出し当番の日
病院によってシフト制や当直制など異なりますが、基本的には外来・入院・救急患者の検査をバランスよく行う形です。 それぞれのスケジュールを具体的に紹介します。
通常勤務
最も多い勤務パターンです。 午前中は外来や検診の予約患者の撮影、午後は入院患者や追加依頼への対応が中心になります。
外来検査では胸部レントゲン、CT、MRI、骨密度、マンモグラフィなど幅広い検査を担当。 午後は病棟からの依頼検査を行うほか、検査画像の確認や装置の清掃・点検も行います。
1日の中で多くの診療科とかかわるため、チーム医療の一員として他職種との連携が欠かせません。 この勤務が、放射線技師として最も一般的な1日の流れです。
予約外来検査や検診を中心に撮影および読影補助を行います
緊急検査や忙しい場合は時間が前後します
午後は外来患者の検査が落ち着き入院患者の検査を行うことが多いです
17時以降に残っている業務の引継ぎをして退勤します。
泊まり勤務の技師が対応しきれない場合は残業をすることがあります。
早出勤務
出勤時間:7:30/退勤時間:16:30前後
早出勤務は、朝の検査開始に合わせて装置を立ち上げる担当です。 出勤後はすぐにCTやMRIなどの機器の立ち上げ・点検を行い、正常に動作するかを確認します。 安全確認を終えたら、8:00から外来や検診の患者さんの撮影が始まります。
午前中は予約検査が中心ですが、当日紹介や緊急依頼も入ることがあります。 12:00〜13:00は昼休憩、午後は引き続き外来や入院患者の撮影を行い、 検査終了後に機器の点検や翌日の準備をして退勤します。
装置の立ち上げ業務
予約外来検査や検診を中心に撮影および読影補助を行います
少し早めにお昼休みに入り、他の技師が休みをしている時間に業務を行う場合もあります。
午後は検査だけではなく3D画像の作成や午前中に行えなかった読影補助も行います。
早く出勤した分早めに退勤します。
泊まり勤務(当直)
泊まり勤務の日は、日中は通常勤務と同じように外来・入院患者の検査を行います。 17:00以降は当直体制となり、夜間・深夜の救急検査を担当します。
夜間は救急搬送された患者のCT検査や、急変した入院患者のレントゲン検査が主な業務です。 重症患者の撮影では医師や看護師と連携し、迅速かつ安全に検査を行います。
翌朝8:00に日勤の技師へ業務を引き継ぎ、通常勤務を1〜2時間行ったあとに退勤します。 夜間の忙しさによっては、少し早めに帰れることもあります。
長時間勤務にはなりますが、その分翌日は休みとなることが多く、平日にまとまった時間を取れるのがメリットです。
上記、通常業務と同様に1時間のお昼休みを挟み勤務します。
17:00以降に残っている検査、救急患者の対応を行います。
8:30に出勤してきた技師と同様に検査業務を行います。
夜中の検査内容、忙しさにより早めに帰れることもあります。
呼び出し当番の日
出勤時間:8:00〜17:00/夜間は待機(オンコール)17:00~翌8:30
泊まり勤務の技師が対応しきれない場合や、複数の救急が重なった際に、 自宅から呼び出しを受けて出勤することがあります。これが「呼び出し(オンコール)」勤務です。
日中は通常勤務を行い、夜間に呼び出しがなければそのまま翌朝も通常勤務です。 もし夜間に呼び出しがあった場合は、翌日の勤務時間が調整され、昼頃に退勤できる場合もあります。
放射線技師の仕事は“チームで支える医療”
どの勤務形態でも共通しているのは、患者さんの安全と正確な画像を第一に考えることです。 日勤では検査の流れを守り、夜勤では救急患者の命を支える―― 放射線技師の仕事は、チーム医療の中で欠かせない存在です。
また、検査機器の管理や装置のトラブル対応など、技術的な側面も多く、 「人」と「機械」の両方に向き合う専門職でもあります。 勤務時間は不規則な日もありますが、その分、やりがいと達成感を感じる瞬間がたくさんあります。
まとめ
放射線技師の1日は、検査室だけでなく病棟や救急現場など多岐にわたります。 勤務形態によって生活リズムは変わりますが、どの時間帯でも「正確で安全な検査」を提供することが使命です。 早出、通常勤務、当直、呼び出し――それぞれの役割がチームとして機能していることで、病院全体が動いています。
これから放射線技師を目指す方は、ぜひこうした働き方のイメージを持って進路を考えてみてくださいね。
参考文献
- 日本診療放射線技師会「放射線技師の業務と勤務体制」
- 厚生労働省「医療技術職の勤務実態調査(2023)」
- 全国国立病院機構 勤務シフトモデル(2022)
- 最終更新日 2025/10/22
- 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
- 免責 本サイトの情報は個別診療に代わるものではありません。
