放射線検査のアレコレ

エコー検査(超音波検査)ってどんな検査?放射線は使うの?

Poteto

こんにちは。放射線技師のPotetoです。
「エコー検査ってどんなことをするの?」「赤ちゃんの検査でよく聞くけど、体に害はないの?」と不安に思う方も多いですよね。今日は、超音波を使ったエコー検査のしくみ・流れ・安全性を、やさしくお伝えします。

まずは要点
  • エコー検査は超音波を使って体内を映す検査で、放射線は使いません(被ばくなし)
  • 臓器の形や動き、血流までリアルタイムに確認できます。
  • 妊婦さんや小児にも安心して実施できます。

1)超音波ってなに?

  • 人の耳に聞こえる音の範囲はおよそ20〜20,000 Hz。それより高い音が超音波(20 kHz以上)です。
  • 医療用の超音波は数 MHz(数百万 Hz)と非常に高周波で、人の耳には聞こえません。
  • 超音波は電離放射線ではないため、X線のようにDNAを直接壊す作用はありません。

2)エコー検査のしくみ

  • 体表から超音波を送る→反射(エコー)を受け取るしくみで、コンピュータが画像に変換します。
  • 組織ごとに反射の強さが異なるため、肝臓・腎臓・血管・甲状腺などを描き分けられます。
  • ドプラ法では血流の方向や速さを色や波形で表示し、詰まりや逆流の評価に役立ちます。

3)どんなときに使う?(一例)

腹部:肝臓・胆のう・膵臓・腎臓(結石、炎症、腫瘍など)

心臓(心エコー):心筋の動き、弁膜症、心不全評価

血管:頸動脈の動脈硬化、下肢静脈血栓の有無

産婦人科:胎児の発育・羊水・胎盤の状態(妊婦さんにも安全)

整形外科:肩・膝などの腱や靱帯損傷

甲状腺・乳腺:しこりの精査

4)検査の流れ

  1. 検査部位を出し、ゼリーを塗ります(超音波を伝えやすくするため)。
  2. プローブという装置を当て、必要な角度で当て替えながら観察・撮影します。
  3. 所要時間は部位により10〜30分程度。痛みはありません。
  4. 終了後、ゼリーを拭き取り、そのまま日常生活に戻れます。

5)安全性と注意点

被ばくなし:放射線は一切使いません。

妊婦さんにも広く実施:胎児評価で日常的に用いられます。

ゼリー:水溶性で肌にやさしく、洗い流し不要。まれに寒く感じることがあります。

体位・息止め:腹部や心臓では見やすくするため軽い息止めや体位変更のお願いをすることがあります。

検査前準備:腹部では絶食や飲水制限が指示される場合があります(病院の案内に従ってください)。

6)よくある質問

Q. 痛みはありますか?
A. 基本的に痛みはありません。圧迫で軽い違和感が出る程度です。

Q. 検査の後に制限は?
A. 原則ありません。食事・運動・入浴も普段どおりで構いません(医師の指示がある場合は従ってください)。

Q. 他の検査(CT/MRI)とどう違う?
A. CTはX線、MRIは磁石と電波を使います。エコーは超音波で被ばくがなく、リアルタイムの観察に優れます。

まとめ

  • エコー検査は超音波で体内を映す検査。放射線による被ばくはありません
  • 臓器の形・動き・血流をリアルタイムに評価でき、妊婦さんや小児にも安心です。

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放射線技師
総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。
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