放射線検査のアレコレ

マンモグラフィ検査ってどんな検査?痛み・被ばく・安全性を解説

Poteto

こんにちは。放射線技師のPotetoです。
乳がん検診や精密検査で行われるマンモグラフィ
「痛いって本当?」「被ばくは大丈夫?」と心配なお声をよくいただきます。今日は、しくみ・流れ・被ばくの目安・注意点をやさしくまとめますね。

まずは要点
  • マンモグラフィは乳房専用のX線検査。乳房を圧迫して薄くし、少ない線量で高精細に撮影します。
  • 早期の乳がんのサインである微細石灰化の検出に強みがあります。
  • 被ばくはごくわずかで、早期発見のメリットが大きい検査です。

1)マンモグラフィのしくみ

  • 乳房を上下・斜め方向から圧迫(数秒)して薄くし、少ない線量で鮮明に撮影します。
  • 圧迫することで、ぶれを抑える/重なりを減らす/不要な散乱線を減らす=画質向上と線量低減に役立ちます。
  • 検診では40代の方が、左右の乳房を各2方向(CC・MLO)で撮影します。それ以外の年代の方は、各1方向(MLO)で撮影します。
  • 精密検査では必要に応じて撮影枚数が変化します。

2)検査の流れ

  1. 上半身の衣類を脱ぎ、撮影台に立位で位置合わせ。
  2. 技師が乳房を板で圧迫し数秒固定します。(ぶれ防止のため息止めの指示が入る場合があります)
  3. 左右それぞれ2方向を撮影。全体で数分で終了します。

※ 脂質クリームや保湿オイルは適切な圧迫を妨げる可能性があります。検査当日は使用を控えるとスムーズです。

3)痛みは?やわらげるコツ

  • 圧迫による圧痛を感じる方がいますが、数秒で解除されます。
  • 生理前は張りやすく痛みを感じやすいため、可能なら避けると楽です。
  • 痛みが強い場合は声かけや圧迫の強さ・時間の調整をします。遠慮なくお伝えくださいね。

4)被ばくの目安(実効線量)

検査内容おおよその実効線量ひとこと
マンモグラフィ(両側・2方向)0.4 mSv日本の自然放射線(約2 mSv/年)の2〜3か月分程度

※ 実際の線量は装置・乳腺量・体格・撮影条件で前後します。最新機では線量を抑えつつ高画質化が進んでいます。

5)よくある質問

  • Q. 何歳から受ける?頻度は?
    A. 一般的に40歳以上で2年に1回の検診が推奨されます。家族歴などリスクが高い場合は医師と頻度を相談します。
  • Q. 妊娠中でも受けられる?
    A. 妊娠中は通常超音波検査で評価します。授乳中は乳腺が濃く写るため、時期や症状で方法を選びます。
  • Q. 乳腺が濃いと言われました(高濃度乳房)。
    A. 病変が隠れる可能性があり、状況により超音波の併用を検討します。医師・技師にご相談ください。
  • Q. 豊胸(インプラント)があっても撮影できる?
    A. 施設によっては撮影をお断りしています。事前に必ずお知らせください。
  • Q. トモシンセシス(3Dマンモ)って?
    A. 薄い断層像を合成する方法で、重なりの影響を減らし検出能向上が期待できます。線量は通常の2Dと同等〜やや増加ですが、合成2D併用により最適化されています。(施設によってはマンモグラフィを行っていても、トモシンセシスは行っていない場合があります。)

6)まとめ

  • マンモグラフィは乳房専用X線で、微細石灰化や早期乳がんの発見に有用です。
  • 被ばくはごくわずかで、早期発見のメリットが大きい検査です。
  • 痛みが不安な方も、圧迫は数秒。遠慮なくお声かけください。あなたに合わせて進めます。

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放射線技師
総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。
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