放射線の影響

自然放射線と病院の放射線被ばくを比べてみよう

Poteto

こんにちは。放射線技師のPotetoです。
「放射線を浴びるのは病院の検査のときだけ」と思っていませんか?
実は、私たちは普段の生活の中でも、自然から少しずつ放射線を受けています。

病院での検査による放射線被ばくと、日常生活で受ける自然放射線。
この2つを比べてみると、「医療で受ける放射線はどのくらい特別なのか」「どのくらいの量なら安全なのか」が、ぐっとイメージしやすくなります。

この記事では、自然放射線と医療被ばくの違いをわかりやすく比較しながら、安心して検査を受けるための正しい知識をお伝えします。

年間の自然放射線被ばくってどれくらい?

日本人が一年間に自然放射線(宇宙線・地殻放射線・食品やラドンなど)から受ける平均的な被ばく量は、

  • 2.1 mSvとされています(環境省報告)
  • 別の調査でも、宇宙線で約0.29 mSv、地面由来で約0.33 mSv、ラドンなどで約0.59 mSv、食品由来で約0.99 mSvの合計で約2.2 mSvとされています

病院の検査でどれくらい放射線を浴びる?

以下は医療で使われる主な検査別の被ばく量の目安です:

検査名実効線量(mSv)自然放射線との比較
頭部CT約2–3 mSv自然放射線の1年分超
胸部CT約5–7 mSv自然放射線の約2〜3年分
腹部CT約8–10 mSv自然放射線の約3〜5年分

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自然放射線‑医療被ばく 比較表

項目被ばく量(mSv/年)
自然放射線(日本人平均)約2.1 mSv
医療被ばく(日本人平均)約2.6 mSv

環境省によると、自然放射線が約2.1 mSv、医療による被ばくは年間平均2.6 mSvとされています

どう読み替えたらいいの?

  • 病院で検査を受けることで自然放射線の「数年分」を短時間で受けるイメージです。
  • それでもCTなどの検査は病気の早期発見など、利益が大きい場合に限定されて行われており、安全管理がされています
  • 自然放射線も検査被ばくも、被ばくが蓄積するわけではなく、適切な範囲で管理されていれば心配する必要はありません

まとめ

自然から受ける放射線と、病院で受ける検査による放射線量はそれぞれ比較できますが、どちらも生活に影響を及ぼすようなレベルではありません。検査が必要なときは、安心して医療を受けてください。

参考文献

  • 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」:contentReference
  • 大森ほか「日本における自然放射線量評価」, ※PubMed:contentReference
  • 最終更新日 2025/9/17
  • 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
  • 免責 本サイトの情報は個別診療に代わるものではありません。 

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放射線技師
総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。
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