紹介状と画像データを持って行ったのに、なぜ同じ検査を受けたの?その理由を解説します
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
病院を紹介されて次の病院へ行ったとき、こんな経験はありませんか?
「紹介状と画像データを持ってきたのに、また同じ画像検査を受けた…」
「さっき検査したばかりなのに、どうして?」
実はこの状況、医療現場では決して珍しいことではありません。 今回は、なぜ紹介先の病院でも同じ検査を行うことがあるのかを、 私自身の体験談も交えながら、わかりやすくお話しします。
私自身が経験したこと
これは、私がまだ医療現場で働く前の体験です。
ある病院でCT検査を受け、虫垂炎と診断されました。 ただ、その病院では手術ができないとのことで、 紹介状とCTの画像データを持って、 大きな病院へ搬送されることになりました。
「もう検査は終わっているし、あとは手術の話だろう」 そう思っていたのですが…
大きい病院に到着すると、再度CT検査を行うことになりました。
同じ日に、同じような検査を2回受けることになるとは思っておらず、 正直、とても不安でした。

「同じ検査」をするのには理由があります
紹介状や画像データがあるにもかかわらず、 再検査が行われるのには、いくつかの理由があります。
治療方針を決める責任があるから
紹介先の病院では、これから治療や手術を行う責任を負います。
そのため、
- 現在の状態を自分たちの目で確認する
- 治療に必要な情報がそろっているか確認する
必要があります。
画像があっても、 治療の判断材料として十分かどうかは、 病院ごとに基準が異なる場合があります。
時間が経って状態が変化している可能性
CT検査は、その時点の体の状態を写したものです。
虫垂炎のように、
- 短時間で悪化する
- 炎症が広がる
可能性がある病気では、 数時間の差でも状態が変わることがあります。
そのため、最新の状態を確認する目的で、 再検査が行われることがあります。
画像の条件や見たいポイントが違う
病院によって、
- CT装置の性能
- 撮影条件
- 見たいポイント
が異なります。
手術を行う病院では、手術に必要な情報がしっかり写っているかを重視するため、 同じCTでも条件を変えて撮影することがあります。
画像データがすぐに確認できない場合も
紹介状と一緒に画像データを持参していても、
- 形式が違う
- データが開けない
- 必要な画像が入っていない
といった理由で、 すぐに確認できないこともあります。
緊急性が高い場合は、 再検査を優先することがあります。
「無駄な被ばく」ではないの?
同じ検査を繰り返すと、 「被ばくは大丈夫?」と心配になりますよね。
医療現場では、”再検査によるリスク”と、”正確な診断・治療のメリット”を天秤にかけて判断しています。
治療を安全に行うために必要と判断された場合のみ、 再検査が行われています。
私自身、働いてから考え方が変わりました
医療現場で働くようになってから、 あのとき再検査が行われた理由が、 少しずつ理解できるようになりました。
「もう一度確認する」ことは、 慎重に、責任をもって治療を行う姿勢でもあります。
あのとき不安だった気持ちは、 今もよく覚えています。
だからこそ、検査を受ける患者さんの不安にも、 できるだけ寄り添いたいと思っています。
まとめ
- 紹介先でも同じ検査を行うことは珍しくない
- 治療方針決定のために再確認が必要なことがある
- 時間経過で状態が変わる病気もある
- 病院ごとに必要な画像条件が異なる
- 無駄な検査ではなく、安全のための判断
もし「どうしてまた検査をするのか」と不安になったら、 遠慮せず医師やスタッフに質問してください。
理由を知るだけでも、 不安は少し和らぐことがあります。
参考文献
- RadiologyInfo.org「How Imaging Is Used in Patient Care」
- 日本医学放射線学会「画像診断の役割」
- 厚生労働省「医療被ばくの考え方」
- 更新日:2026/1/14
- 執筆:診療放射線技師【Poteto/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師】
- 参考:本ページは医療現場の一般的な運用に基づきます。個別の判断は担当医とご相談ください。
- 免責:本サイトの情報は個別診療に代わるものではありません。
