画像診断検査まとめ|放射線技師がわかりやすく解説
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
病院で「画像診断検査を受けてください」と言われたとき、「どんな検査だろう?」「体に影響はあるのかな?」と不安に思う方は少なくありません。
画像診断検査とは、レントゲン(X線)やCT、MRI、超音波、核医学などを使って体の中を映し出し、病気の有無や状態を調べる方法のことです。
ここでは、代表的な画像診断検査をまとめてご紹介します。
X線検査(レントゲン)
最も一般的で身近な検査です。胸部レントゲンでは肺炎や心臓の大きさ、骨のレントゲンでは骨折などを調べます。撮影は一瞬で終わり、放射線の量もごく少ないため、必要に応じて安心して受けられる検査です。

CT検査
X線を使って体を輪切りにし、コンピュータで断層画像を作る検査です。がんや出血、肺炎、臓器の状態を詳しく確認できます。撮影は数十秒程度と短時間で済みますが、X線を使用するため被ばくはあります。造影剤を使うことで血管や臓器がよりはっきりと描き出せます。

MRI検査
強力な磁石と電波を使って体の内部を映す検査です。X線を使わないため放射線被ばくがなく、脳や脊髄、関節、子宮・卵巣などの検査に優れています。撮影時間は20〜40分程度かかり、大きな音がするのが特徴です。金属を体に入れている場合は制限があります。

超音波検査(エコー)
人の耳に聞こえない高周波の音を使い、放射線を使わないため妊婦さんや小児でも安心して受けられます。肝臓・腎臓・心臓・血管・胎児の発育確認など幅広く使われます。痛みもなく安全性が高い検査です。

マンモグラフィ
乳がん検診でよく使われるX線検査です。乳房を圧迫して撮影するため少し痛みを感じることがありますが、その分、微細なしこりや石灰化を早期に見つけることができます。女性の健康を守る大切な検査です。

透視検査(X線TV)
X線を使って体の中の動きをリアルタイムで観察する検査です。代表的なものはバリウムを飲む胃透視や、大腸の透視検査です。内視鏡と組み合わせて行うこともあり、食べ物の通過や臓器の動きを見ながら診断や治療を行えます。

IVR(画像下治療)
IVR(Interventional Radiology)は画像を見ながら体の中に細い管を入れて治療する方法です。X線透視やCTを使い、がんへの薬剤注入や出血の止血、血管の狭窄の拡張などを行います。手術よりも体への負担が少なく、入院期間も短縮できることがあります。
核医学検査(シンチ・PET)
放射性薬剤を体に入れ、体内から出る放射線をカメラで撮影する検査です。骨や心臓、脳の働き、がんの活動性などを評価できます。形だけでなく「臓器の機能」を調べられるのが特徴で、CTやMRIと補い合う検査です。放射線は時間とともに体外に排出されます。
放射線治療
病気を診断する検査ではなく、がんなどを治す治療です。高エネルギーの放射線を腫瘍に集中して照射し、正常組織を守りながらがんを壊します。治療は数週間に分けて行われ、安全性に配慮されています。

まとめ
画像診断検査には、それぞれ得意分野や特徴があります。放射線を使う検査もあれば、使わない検査もあります。大切なのは「必要だから検査を受ける」ということ。安全に配慮されたうえで、診断や治療に大きく役立ちます。不安があれば、遠慮なく医師や放射線技師に相談してくださいね。
参考文献
- 日本医学放射線学会「国民のみなさまへ:放射線診療の安全と安心」
- American College of Radiology (ACR). ACR Appropriateness Criteria®.
- 厚生労働省「医療における放射線の安全管理」
- UNSCEAR 2008 Report, Sources and Effects of Ionizing Radiation.
- 最終更新日 2025/10/3
- 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
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