Poteto
こんにちは。放射線技師のPotetoです。
放射線を安全に使うための基本に、「放射線防護の3原則」= 時間・距離・遮へいがあります。病院でも研究所でも共通する考え方で、患者さんやご家族が安心して検査・治療にのぞめるよう日々実践しています。今日はこの3つを、やさしくご紹介しますね。
放射線防護の3原則
・時間:当たる時間を短くするほど、被ばくは減ります。
・距離:放射線源から離れるほど、強さは急速に弱まります。
・遮へい:鉛・コンクリートなどで遮ると、被ばくを大きく減らせます。
※ 医療現場では、これらを組み合わせて必要最小限の放射線で検査・治療を行います。
1)時間:できるだけ短く
- 放射線を浴びる時間が長いほど、受ける量は増えます。
- 医療では、撮影そのものは一瞬〜数十秒で終わるよう最適化されています。
- 患者さん向けのコツ:説明にしたがってじっとしていただくと、撮り直しが減り、結果的に被ばくも少なく済みます。
2)距離:できるだけ離れる
- 放射線は、距離が2倍になると強さはおよそ1/4に(遠ざかるほど急に弱まる性質)。
- 検査のときスタッフが操作室から遠隔で撮影するのは、この性質を活かしているためです。
- 付添いの方向け:やむを得ず室内にいる場合は、患者さんから離れた位置で指示に従ってくださいね。
3)遮へい:遮るものを使う
- X線は鉛・コンクリート・特殊ガラスなどでよく遮れます。
- 撮影室の壁や窓、鉛エプロン、管球周りの防護具などが代表例。
- 患者さん向け:必要に応じて防護具を使います。妊娠の可能性があるときは、事前に遠慮なくお知らせください。
医療現場での具体例
- レントゲン:撮影は一瞬。スタッフは操作室(距離+遮へい)で対応。
- CT:回転撮影を数十秒で完了。部位や体格に合わせて線量を自動調整。
- 核医学:放射性薬剤を扱う場面は時間短縮ツールや鉛容器を活用(時間+遮へい)。
よくある質問
- Q. 鉛エプロンは必ず着けますか?
A. 必要性や撮影部位によって判断します。適切に使うことで不要な部分の被ばくを抑えられます。
- Q. 子どもの検査は心配です。
A. 小児は感受性に配慮し、時間短縮・低線量プロトコル・遮へいを丁寧に組み合わせます。必要な検査はためらわずに受けてくださいね。
- Q. 妊娠中はどうなりますか?
A. 撮影部位や週数で対応が変わります。代替検査(超音波やMRI)の検討や防護の工夫を行いますので、事前にご相談ください。
まとめ
- 放射線防護の3原則は時間・距離・遮へい。
- 現場ではこの3つを組み合わせ、必要最小限の放射線で安全・確実に検査や治療を行っています。
ABOUT ME

総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。