レントゲン(X線)検査

レントゲン検査を受けるときの準備と注意点|放射線技師が教える安心ポイント

レントゲン検査を受ける際の注意点
Poteto

こんにちは。放射線技師のPotetoです。
「レントゲン検査を受けるとき、どんな準備が必要なの?」と不安に思う方も多いと思います。実は、ちょっとした準備や協力をしていただけるだけで、検査はスムーズに進み、より正確できれいな画像を撮影することができます。
今日は放射線技師の目線から、「こんなことを準備してくれるとうれしい!」というポイントをまとめました。

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金属やプラスチック類は外してきてください

レントゲンはX線が体を通り抜けるときの濃淡を利用して画像を作ります。そのため、体の表面についている金属やプラスチック類は、画像に不要な影を作ってしまいます。診断に必要な部分が隠れてしまうと、再撮影が必要になることもあります。

外してきていただきたいもの(例)

  • ネックレス・ピアス・指輪・ブレスレットなどのアクセサリー類
  • ヘアピン・カチューシャ・ウィッグ(人工毛は映りやすいです)
  • 補正下着やブラジャーのホック・ワイヤー
  • カイロ、湿布(プラスチック・金属成分が含まれる場合があります)
  • 義歯(頭頸部や胸部の撮影では外すことがあります)
  • 補聴器(胸部や頭部を撮影する際に影響することがあります)
  • ボタンやファスナー・ベルトなど金属の多い衣類
レントゲン検査に映りこむもの

特に胸部や腹部のレントゲンでは、服の金属部分やプラスチック素材が画像にかかりやすいため、できるだけ金属の少ないTシャツや無地の服で来ていただけると助かります。

身に付けている金属はすべて外さないといけないの?

レントゲン検査の有無を事前に知らない場合は金属類がいくつもついているということもありますよね。そんな時、身に付けている金属類はすべて外さないといけない…?

そんなことはありません

撮影場所によっては外さなくていい場合もあります!

レントゲン検査に移りこむ金属類は検査前に外していただくことで、検査がスムーズに進みます。しかし、撮影場所に入らない金属やプラスチックは外す必要はありません。

例えば…

  • 手の撮影→ベルトやズボンはそのままでOK!
  • 胸の撮影→時計は付けたままで大丈夫です!

検査中の呼吸の声かけに協力してください

胸部や腹部のレントゲンでは、「息を吸って止めてください」「息を吐いて止めてください」といった声かけがあります。これは、呼吸による臓器の動きで画像がぶれてしまうのを防ぐためです。

例えば胸部X線では、息を大きく吸った状態で止めることで、肺が広がり心臓や血管、肺野の状態がはっきりと写ります。もし息を止めるのが難しいときは、無理をせずに「止められない」と技師に伝えていただければ対応しますのでご安心ください。

体の位置を調整するために触れることがあります

レントゲンは正しい角度と位置で撮影することが大切です。そのため、検査の際に体の向きや肩の位置、足の開きなどを細かく調整することがあります。
「まっすぐ立っているつもり」でも、わずかにねじれていると画像が歪んでしまい、正しい診断ができません。そこで技師が肩や腕に軽く触れて、正しい位置に誘導することがあります。

もちろん必要最小限の接触で行いますし、患者さんに声をかけながら進めますのでご安心ください。

こんな服装・準備がベストです

  • 無地のTシャツやスウェットなど、金属や装飾のない服
  • ネックレスやアクセサリーは自宅で外してから来院
  • 検査部位によっては検査着に着替えていただくこともあります
  • 妊娠中の可能性がある方は必ず事前に申し出てください

まとめ

レントゲン検査をスムーズに受けるために、患者さんにご協力いただけるとうれしいことは次の通りです。

  • 金属やプラスチック類を身につけてこない
  • 呼吸の声かけにあわせて「吸って止める/吐いて止める」を行う
  • 正確な写真のために、体の位置調整をお任せいただく

これらを守っていただくだけで、検査の効率が上がり、再撮影のリスクも減ります。患者さんと放射線技師が協力することで、より正確で安心できる検査につながります。
少しでも不安なことがあれば、どうぞ遠慮なくPotetoにご相談くださいね。

参考文献

  1. ICRP Publication 105. Radiological Protection in Medicine. Ann. ICRP 37(6), 2007.
  2. ICRP Publication 102. Managing patient dose in multi-detector computed tomography (MDCT). Ann. ICRP 37(1), 2007.
  3. 日本放射線技術学会 編. 医用放射線技術実験学 第4版. 南山堂, 2019.
  4. 日本放射線技術学会 編. 放射線防護学 第3版. 南山堂, 2020.
  5. 北里大学病院 放射線部. 医療の中の放射線基礎知識.
  6. 厚生労働省. 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(第5版).
  7. 日本原子力研究開発機構(JAEA). 身のまわりの放射線.
  8. 文部科学省. 放射線の安全利用に関する基礎知識.
  • 最終更新日 2025/10/1
  • 執筆者 Poteto (診療放射線技師/放射線管理士/放射線被ばく相談員/マンモグラフィ撮影認定技師)
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総合病院に勤務している放射線技師のPotetoです!放射線に関する不安や疑問に寄り添うために、このブログを立ち上げました。日々の生活に役立つ放射線の知識や、放射線技師の仕事についてわかりやすく発信しています。
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